子宮・卵巣の病気
子宮の病気
代表的なものには子宮頚部がん、子宮体部がん、子宮筋腫、子宮腺筋症といったものがあります。
子宮頚部がん
子宮頚部がんは子宮の入り口付近(膣との境付近)にできるがんです。
99%以上はHPV (Humanpapilloma virus) というウイルス感染が原因です。HPVは100種類以上あって1型、2型は普通のイボをつくるウイルスです。このなかの16、18、31、33、52、58など特殊な型に感染したなかで遺伝要因や免疫力などが関連してがんに進行するひとがいるのです。感染したひとみんなががんになるわけではありません。子宮頚部がんは感染症に関連した病気ですので、おりものをチェックしようと思うようなときには子宮頚部がん検診も受けてください。早く、みつかれば子宮も卵巣も残して妊娠に差しさわりがないような治療が可能です。
来年にはこのウイルスに対するワクチンが発売される予定です。
子宮体部がん
子宮体部がんは子宮の中、子宮内膜に発生するがんです。ほとんどは更年期以降の年齢の高い方に多いがんです。まれに若い女性で月経不順のひどい方に起こることがあります。子宮体部がんの検診は子宮頚部がん検診ほど確立されておらず、正しい判断がむつかしいので、基本的には月経周期を有する女性に必要のないものと考えてください。超音波検査での子宮内膜の状態の観察がもっと重要です。それで疑われた場合に検診を受けてください。
子宮筋腫
子宮筋腫は最もポピュラーな子宮の良性腫瘍です。良性腫瘍ですからかならずしも手術を受けなければならないということはありません。たとえば、子宮の内腔にむかってできている筋腫ではかならずと言っていいほど過多月経となり、貧血が強くなります。また、ほぼ確実に妊娠の妨げとなります。ですから子宮の内腔に向かって発育する筋腫は手術の対象となります。子宮の外側にむかって発育する筋腫では直径が10cmを超すような大きな筋腫の場合には膀胱の圧迫や過多月経などの症状がでるため治療が必要になるときがあります。
治療方法には手術療法と薬物療法があります。手術療法にも筋腫だけをとる方法と子宮全体をとる方法があります。手術後に妊娠を考えておられる場合には筋腫だけを取る手術をします。いかに筋腫が大きかろうとも、かわった位置にあろうとも、ほとんどの筋腫だけをとり子宮を残す手術は可能です。ご心配なく。最近では腹腔鏡や子宮鏡を用いた手術が主流になりつつあります。薬物療法には更年期障害をおこすような治療と低用量ピルを用いた過多月経をやわらげる治療があります。いずれも筋腫の症状を改善しますが筋腫が完全になくなるわけではありません。
子宮腺筋症
子宮腺筋症とは子宮の内側をかたどる子宮内膜が子宮の筋肉の中で発育する状態をいいます。子宮筋腫と同じように子宮全体が大きくなりますが子宮筋腫は明らかにまわりの正常な筋肉との間に境があり、筋腫だけを取り出す手術が可能であるのに対して、子宮腺筋症では子宮内膜の子宮筋層への入り込み方が一様ではないので、正常の筋肉とのさかいが明らかでなく、腺筋症のみを取り出すことは不可能に近いことです。あまり手術の対象とはなりません。しかし、腺筋症では月経困難が強く、一般的に子宮筋腫や子宮内膜症による月経困難より強いことが多いです。痛みの強い妊娠希望のないひとには子宮全体をとる手術が適応となります。妊娠を考えておられる方は更年期障害をおこすような薬物療法や月経困難を抑えるために低用量ピルを用います。
卵巣の病気
卵巣嚢腫
卵巣に水や油、血液がたまった袋ができている状態をいいます。卵巣では卵が月経周期したがって、卵のまわりに水を貯留する卵胞が大きくなり、排卵するという周期が繰り返されています。排卵前の卵胞は約2 cmで時に排卵後にもみずがたまって3-4cmに達することもあります。このような卵の発育や排卵による機能的な卵巣嚢腫が多く、1回の診察で機能的な卵巣嚢腫ができているのか、はたまた腫瘍のために卵巣嚢腫ができているのかは鑑別できません。
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